もちもちベーグルのワケ

もちもちしたベーグルを食べて欲しい、との思いからスタート。

 

皆さま、店主の茶野です。
金曜日は、土曜日のベーグルを作るため仕込みが多く、かつLINEも発信するので私にとってはやることが増えてドキドキする日です。

 

今日から不定期でブログに書こうと思っていること。

 

「もちもちのベーグルを作るコツ」

 

ベーグルが好きでおうちで作る人も多いのでは。
そんな皆さまや、ベーグルカンパニーのもちもちベーグルを好きな方のために、ちょっと専門的なベーグル作りのお話を今後書いていきますね。

 

初回の今日は、なぜベーグルカンパニーのベーグルをもちもちの食感にしようかと思ったのかお伝えしますね。

 

 

 

 

「もちもち」食感って、日本人ほぼみんな好きですよね。
お米も、お餅も、そしてパンもベーグルも。

 

ベーグルの本場NYでは、ベーグルはもちもちしていません。
むぎゅっ、です。
むぎゅっとひきが強く、目がつまっていて、気泡はほぼなし。
そのため噛み応えがすごくあるので、食べている感あります。
一方、むぎゅっと食感を出すために、ベーグル生地自体に水分が少ないです。
当日食べるには最高に美味しいですが、翌日以降にはぱさっぱさになりやすい。

 

 

私の個人的解釈をお伝えしますね。

「NYのベーグルは、サンドを前提としている作り方。
ベーグルカンパニーのベーグルは、そのまま食べることを前提としている作り方です」

 

 

ベーグルによく合うのはクリームチーズです。
食パンのように生クリームベースだと、ベーグル噛んだ時に飛び散ってしまうのであまり向いていません。
ある程度の硬さと粘着性のあるクリームチーズが最適です。

 

NYのベーグルショップでは、スカリオンクリームチーズやブルーベリークリームチーズなどなど、たくさんの種類のクリームチーズが用意されています。
ベーグルを選んで、サンドの具材を選んで。
ベーグル=サンド。
ベーグルをそのまま食べるニューヨーカー、見たことないかもです。

サンドする具材の水分さえも受け止めてくれて、サンドの具材を引き立てる、水分が少なくシンプルなベーグルがNYのベーグル。

 

 

ベーグルカンパニーのベーグルは、地元のお子さま連れのご家族が多いという立地において、お惣菜パン屋や菓子パンのようにそのまま食べて美味しいベーグル。
ベーグル専門店が近くにないので、プレゼントとして翌日食べてもらう機会も多々あり。

 

そのために、サンドしなくてそのまま食べてもおいしいベーグルを目指しています。
(究極的には、それ自体が美味しいプレーンを目指しています)
もちもちした食感。
ベーグルの中には具材が入っていて、サンドしなくてもそのまま食べれる。
翌日食べてもぱさぱさしない。

 

 

10年くらい前は、NYスタイルに近い「むぎゅっ」としたベーグルを作っていた時期もありました。
その頃の私は、うちに来てくれるお客さまがどのようなベーグルを食べたいと思っているのかあまりよくわかっていなかったと思います。
今振り返れば、ベーグルという形を作ることに精一杯でした。
経験も少なかったし、新作を考えることにいっぱいいっぱい。
そのいっぱいいっぱいさは、今でもあまり変わってはいませんが(笑)

 

NYスタイルっぽいベーグルを作っていた時、ある日突然気づいたのです。
うちのベーグルは翌日になると美味しくない!!!
焦りましたね。

 

パン学校の先生をつかまえて、何が原因なのか質問しまくりました。
やれることは全部テストしました。
粉を変えてテスト。
配合を変えてテスト。
製法を変えてテスト。
ミキシングの時間などを変えてテスト。
捏ね上げ温度を変えてテスト。
酵母の量を変えてテスト。
ベンチタイムの時間を変えてテスト。

 

 

初心に戻ってベーグル作りに向き合った時、やっとわかったんです。

 

 

全てが大切だと。
そして、誰に、どういう食感や味を食べてもらいたいのかにより、作り方は変わってくるのだと。

 

 

誰もが好きな「もちもち」の食感にしたいと。
当日は「もっちもち」、翌日でも温めれば「もちもち」。
そして、ベーグルカンパニーでしか出会えない、他では食べれない食材とベーグルとのコラボで、ワクワクして笑顔になってもらうことが私たちの存在意義。

 

皆さまが喜んでくれる目指すべきものを作るために、材料があり、製法があり、工程がある。
今では確信をもってそう言い切れます。

 

 

皆さまが褒めてくださる「もちもち」食感は、皆さまと一緒に作り上げてきたものだと思っています。
「もちもちしていておいしかった」とおっしゃってくれる言葉を受けて、更に進化させたいと思って毎日ベーグルに向き合っています。