「きんかんアールグレーベーグル」と発酵について

生地の中身により発酵状態を調節します。

発酵中のきんかんベーグル

発酵中の「きんかんとアールグレーベーグル」です。
生地には脱脂粉乳とアールグレー茶葉が入り、中身は金柑甘露煮を巻き込みます。

ベーグルは他のパンに比べて発酵が短く、ふわふわにしません。
どのくらいの酵母を使い、どのくらい発酵を取って目がつまった食感にするかは、お店によって違います。

ベーグルカンパニーのベーグルは、翌日食べても美味しく食べれるように、ある程度の発酵は取ります。
ある程度というのは、生地によって全て異なります。
そして、中身に何が入るかによっても異なります。

きんかんベーグルを作る脱脂粉乳入りの生地は、酵母の活動を制限するので発酵が遅いです。
冬場は暖かい場所に移動し、芯までむっちりするまで発酵を取ります。
この脱脂粉乳入りの生地は、今はホワイトチョコを巻き込むベーグルと、金柑甘露煮を巻き込むベーグルの2種類を作っています。
ホワイトチョコに比べ金柑甘露煮は重くて水分が多いので、前者に比べてさらに力強い生地を作ります。

生地の種類、中身の重さや種類によって発酵の長短を変えると共に、大切なポイントがあります。

それは、ベーグルは焼成前に茹でるという工程があることです。
茹でることにより生地温度が上昇し、低温で眠っていた生地が目を覚まして活動を始めます。
「茹でる」と「焼く」を一つの流れとして考えて、そこから逆算して生地の発酵状態を調節しています。
逆に言うと、生地作りの際に発酵がいつもより進んだベーグルは、翌日茹でる時間を短くし、発酵が足りなく小さなベーグルは茹で時間を長めにしてオーブンに入れる前にふっくらとさせます。

生地作り、発酵状態、翌日の茹でるケトリング、焼成温度など、私たちがかかわる全ての工程においてベーグルの声に耳を澄まし、どうしたらより美味しくなるのかを常に考えています。