もちもちベーグルを焼くために、発酵状態や種別ごとに焼成温度は変えます。
皆さま、店主の茶野です。
もちもちのベーグル作りの工程のおはなしを書いています。
今回は焼成のおはなし。
ケトリングで調整したベーグルや、ちょっと良くない状態になりかけたベーグルを、美味しくなるように調整する最後の仕上げです。
ケトリング(茹でる)が終わったら、ベーグルを天板に並べてすぐにオーブンに入れます。
オーブンシート上に並べて、ベーグルをオーブンシートごとスリップベルトのようにオーブン中にある天板上に落とします。
ベーグルの状態および種類ごとに焼成温度は変えます。
○ケトリングで発酵が進みすぎてしまったベーグルの場合
下火を通常より最初に20℃くらい上げます。
過発酵のベーグルは、生地の中の糖分が使われすぎていて、酵母の活動がオーブンの中でマックスにならず窯伸びがしません。
それを、下火の力で立ち上げてあげるイメージです。
もちろんある程度膨張して高さが出たら、下火は下げ始めます。
○水分量の多い具材を巻き込んでいるベーグルの場合。
中身のないプレーンと比べると、粒あんや果物を使うクリームチーズ入りベーグルは、上下の焼成温度を上げて中の水分を焼き切るようにします。
底の色が入りやすいかぼちゃやアールグレーの生地は、底色が入りすぎないように下げて焼きます。
底色が入りすぎると、噛みきるのに抵抗があります。
もちもちの食感を目指す場合は、クラム(中身)もクラスト(外側)も一体感ある食感を目指したいです。
オーブンの技術があるスタッフと未熟なスタッフとでは、焼きあがりのベーグルから発するオーラが違います。
最後の工程まで、美味しいもちもちベーグルを焼けるように愛情をかけてあげるようにしています。
私の個人的な話ですが、私は焼きながらベーグルに話かけています(笑)
ちょっと変な人と思われるかもしれませんが、、、
オーブンとケトリングを上げるタイミングが重なった時には、「ちょっと待っていてね」。
発酵が行き過ぎて力がないベーグルをオーブンに投入する時は、「美味しく焼けてきてね」。
そうすると、大丈夫になること多いんです!
普通の状態のベーグルでも、オーブンに投入する時には、「いってらっしゃい」「はい、OK」など。
ベーグルもパン酵母で発酵しているある意味生き物なので、黙ってもくもくやるよりも、声かけしながら作るとそれに応えてくれるのかなと思っています。
私はそう信じて作っています!