もちもちベーグルへのこだわりは、成形時の張り!

綺麗に張らせたベーグルが、もちもちになります!

 

皆さま、店主の茶野です。

毎日、毎日、もちもちのベーグルを追求しています。

ベーグルの形を作る成形時の、生地の張らせ方も、もちもちしたベーグルを作るのには大切な要因です。

パン生地は触りすぎると良くありません。
新人スタッフには、生地は必要最低限の力で、必要最低限の回数しか触らないようにと、毎回伝えています。
生地の分割も、上手なスタッフは1回で規定のグラムを分割しますが、この分割時も何回も切り刻むと生地状態が良くなくなります。

なぜかというと、触ることにより生地に力が加わると、その部分はグルテンが絡み気泡がつぶれるなど、厳密に言うと触らなかった部分と比べると違う生地になっています。
切りっぱなしの状態で焼く「リュスティツク」というパンが美味しいのは、生地に人間が触れる回数が少ないから、酵母が素直で美味しいパンを作ってくれるからです。

うまく発酵したベーグル生地は、無理な力を加えなくても、成形時にすっと綺麗に伸びてくれます。
綺麗な長方形に伸ばして、棒状に巻いて、くるっと丸くします。
空気を取り込まないように、でも張らせながら巻いてきます。
感覚としては、巻いてきた生地の中央部分は動いていないけれど、表面となる皮の部分だけをひっぱって張らせる感じです。

成形後の丸い形のベーグルは張っていることが大切です。
張っていることにより、酵母の活動の副産物である二酸化炭素などが、張った皮の中に溜まることができるからです。
張っていなかったり、綴じ目が甘いと、発酵して作られる空気の層が外に逃げてしまうからです。

特に、うちのベーグルは成形してから一晩発酵させるので、24時間形を保持できるに堪えうる張らせ方が必要です。
イメージとしては、風船のゴムに見えないくらいの穴が開いていると、丸い形に膨らませようとしても駄目な感じです。

この生地を張らせるという感覚。
新人スタッフが習得するのに、一番苦労する工程です。

成形の経験は積まないと上手にならないので、新人スタッフも挑戦させますが、往々にしてダメ出しをくらい、選手交代していますね。