かわさきの伝統野菜「万福寺人参」を次の世代に。

手間暇かかる万福寺人参が継承される一助となりますようにとの願いを込めて。
「万福寺人参のきんぴらサンド」登場します。

皆さま、店主の茶野です。
万福寺人参って川崎の伝統野菜だって知っていますか?
栽培が大変で、一時は消滅しかけたこの万福寺人参が、1月のフェアでサンドとなって登場します。

 

2022年1月
「西尾商店削り節フェア」
江戸時代から伝わる幻のかつお節を、こだわりの素材と共に。
「万福寺人参のきんぴらサンド」登場します。

 

万福寺人参は、香りがとっても豊かで、甘みもフルーツのようにしっかりとあります。
他の人参と食べ比べると、その違いは歴然。
4年ぶりに再会して生で食べて感動。
人参特有の苦みやえぐみがない。

 

万福寺人参の正式名称は「万福寺鮮紅大長人参(まんぷくじせんこうおおながにんじん)」。

 

見た目の特徴、
長い!
ごぼうのように60~80cmくらいあります。

 

甘い!
果物なみに糖度が高い。
15度くらいになります。
長いから地中深くの養分もたくさん吸って成長してくれているんだと思います。

 

香りが良い。
昔の野菜はきっとこうだったと思うように、存在感がしっかりある香り。

 

万福寺人参は昭和20年代後半から30年代にかけて麻生区の万福寺、高石、百合丘(現)などで盛んに作られました。
全国農林産物品評会で1954年から1958年にかけ5年連続で農林大臣賞(1位)を受賞。
全国からも注目されます。
しかし、百合丘団地造成が始まった1960年代から作付け面積が減少。

 

農地そのものが減少しただけでなく、栽培や収穫には労力を要するのも消滅しかけた大きな理由。
特徴であるその長さゆえ、土壌を軟らかくするため、種まき前には地中を1メートルほど掘り起こさなければなりません。

 

収穫も鉄製の棒をニンジンの脇の地中に深く刺し、土をほぐしてから。

 

根を傷つけないよう注意を払いながら真っすぐ引き抜く。

 

そんな手間が敬遠され、手間暇かける割にはコストが見合わなく、万福寺人参の栽培農家は麻生区内に数軒だけ。
今年はいのうえさんと他1軒の農家さんしか栽培していません。
仕方ないのかもしれませんが、地元住民としては残念です。
こんなに美味しい人参があるのに、目にすることも、食べることもできないなんて。

 

手間暇かけて育った万福寺人参は、食べればその価値がわかります。

 

ベーグルカンパニーは、万福寺人参をサンドに使うことにより、皆さまに地元の伝統野菜を知ってもらいたいと思っています。
スーパーで買う人参より価格的には高いですが、その対価が地元の伝統野菜継承への貢献に繋がればと思います。

 

手間暇かけて伝承する万福寺人参に、
その手間暇に見合った喜びを農家さんが感じてくれて、
来年もその次の年も、これからもずっと、
万福寺人参がもっと身近なものとして私たちの食卓に登場すること。
地元の人参って美味しいねと皆さまが笑顔になれること。
農家さんも、私たちも、やりがいを持てること。

 

そんなことに繋がるようにという思いから、本当に微力ではありますが、ベーグルカンパニーは万福寺人参を使います。

 

 

いのうえのうえんの情報はこちら。
出店情報など、インスタでアップしています。

 

 

※一時は消滅しかけた万福寺人参。
伝統野菜の継承のために、1999面に地元有志の手で「万福寺人参友の会」が結成。
年1回の品評会を開いて伝統野菜の継承に努めている。