いいチョコレートは溶けやすいので、慎重に成形しています。
皆さま、店主の茶野です。
大人のチョコレート大作戦フェアが始まり、ヴァローナのチョコを使うベーグルを毎日作っています。
ヴァローナのチョコレートは成形が難しいというおはなしを書きます。
フランス産ヴァローナのチョコレートは、18℃くらいになると溶けだします。
5月も中旬くらいになると仕込み場の温度も上がってくるので、チョコレートは冷蔵庫管理となります。
メインの原材料は、カカオ豆、砂糖、カカオバターなど。
ケーキを作るために溶かして使うのに、非常に向いています。
ベーグルは焼く前に熱湯で茹でて、高温で焼くというヴァローナのチョコレートにとってはかなりハードな環境。
ほんの少しでも綴じ目が止まっていないと、その隙間からチョコレートが漏れだします。
チョコレートをベーグル生地の中央に置いて、棒状の中に巻き込んで、輪っかにします。
その時に、綴じ目という綴じ目が完全に止まっているように成形しなければなりません!
それに比べて製パンで使うチョコレートは、漏れにくいものがあります。
ロスが出にくく作業性が良い、加工されたチョコレートだからです。
袋の名称を見ると、準チョコレートやチョコレートコーチングと書かれています。
高温で焼いてもチップ状の形を維持するものもあります。
作業性が良いかわりに、味わいは落ちます。
ヴァローナのホワイトチョコ「イボワール」は特に漏れやすいです。
それでも漏れないように工夫します。
●普通は使わらないめん棒を使って奥行を出す。
奥行を出してイボワールをおいてから、くるくる巻き込んできます。
何度も巻くことにより、よりチョコレートが中央に入り、漏れにくくなります。
●チョコレートを置く向きを横向きにする。
チョコレートは私たちが包丁でカットしていますが、カットしたチョコレートの角が鋭利になっているのもダメです。
カット済みチョコレートを置くときに、チョコを横向きにして、生地を突き破らないように気をつけています。
ヴァローナチョコレートを使うフェアの時は、ベーグルの成形に時間をかけています。
中身が漏れると、焼いてもベーグルの高さが出ません。
風船を膨らまそうと思っても、小さな穴が開いていると膨らまないのと同じ感覚です。
ひと手間かけて、漏れなく高さのあるきれいなベーグルを作る努力をしています。