もちもちベーグル作りのためのケトリング

ベーグルをもちもちさせるために、ケトリングの長さは毎日、毎種類ごとに変えています。

皆さま、店主の茶野です。
もちもちのベーグル作りの工程のおはなしを書いています。

 

今回はケトリングのおはなし。

 

ベーグルはケトリングという、お湯で茹でるという工程をとります。

 

ケトリングとは、発酵が終わった生地をゆでる工程のこと。
焼く前に生地をゆでることで起きる変化は、大きく2つ。

 

一つ目は、熱湯で茹でることによりでんぷんが糊化します。

ケトリングでベーグルの表面を糊化させることで、表面は固くなってこれ以上膨らまなくます。
しかし、焼成中に膨張し続けようとしパンパンになるので、それによって中の生地に弾力が増し、もちもちになります。

 

二つ目は、発酵した生地を茹でて生地が膨張させる。

茹でることによって、生地内で酵母が排出するガスが膨張し生地が膨らみます。
あらかじめ茹でておくことで、焼成時に生地が膨らむことを防ぎます。
それによってパンのようにふっくらとした感じではなく、目が詰まって噛み応えのあるもちもちしたパンを作ることができます。

 

ケトリング前の状態の見極めも大切です。

 

発酵が十分でないベーグルは、可能な限り常温に出して発酵を取ってからケトリングします。
逆に発酵しすぎているベーグルは、ケトリングにより酵母の活動がピークを過ぎてしまうので、さっとケトリングをすませます。

 

ケトリング中に、ベーグルがふわっと膨張して、艶と気泡が出てくるときが、ケトリング終了のタイミングです。
生地が適度に緩むことが必要です。

 

発酵が進みすぎていて15秒でケトリングを終了しなければならないベーグルもあれば、3分近くケトリングする時もあります。
理想は1分前後。
1分前後のケトリングでOKな時は、生地の発酵状態が良い時です。

 

ケトリングOKとなったら、網ですくって天板に並べて、間髪入れずにオーブンに投入。
活動を始めた酵母の動きがオーブンの中でピークを迎えるようにします。

 

ケトリング前の見極め、
ケトリング終了の見極め。
これは、毎回違います。
生地ごとでも、もっと言えば同じ種類でも成形のタイミングによりケトリングをあげるタイミングも異なります。

 

これは、毎日やっているからわかることです。
ここがケトリング終了と思って焼いたベーグルが、どういう状態になったのかを把握し、次回に活かしています。
経験を積むから判断できる、手作りならではの楽しさです。