もちもちベーグル作りは、捏ね上げ温度から。

ベーグルのもちもち加減を左右するポイントに「捏ね上げ温度」があります。
とっても大切な「捏ね上げ温度」。

皆さま、店主の茶野です。
プロとしてもちもちベーグルを作るのに大切なことの一つ。

 

「捏ね上げ温度」。

 

 

翌日でもぱさぱさしにくい、もちもちのベーグルを作りたいと初心に戻って取り組んだことが、

 

「真の生地温度の履歴」を均一にすること。

 

 

最終的には、仕込んだ生地がどのような温度カーブを描いてベーグルになったのかを把握していることが必要です。

 

そのために、「捏ね上げ温度」を常に一定にすること。
そして、捏ね上げ後の生地の大きさを一緒にすること。

 

 

ベーグルカンパニーのベーグルはオーバーナイト製法です。
生地を作って翌日まで発酵させてから茹でて焼く。
ストレート法といって、当日作った生地を当日焼くこともできますが、もちもちさと発酵による味の奥行を出すため開店から一貫してオーバーナイト法を取っています。

 

一般的なベーグルの捏ね上げ温度は26~27℃くらいでしょうか。
うちもNYスタイルのむぎゅっとしたベーグルを作っていた頃は、そのくらいの捏ね上げ温度でした。
生地の温度が26℃くらいだと、酵母の発酵が鈍くなり、むぎゅっとした目が詰まったベーグルになります。
その時に、うちのベーグルは翌日美味しくない!と気づきました。

 

 

そこからです。
捏ね上げ温度を高くして発酵促進を促すことにより「もちもち」さを出しながら、同時にふわっふわにならないように発酵を途中でコントロールするように仕込み方法を変えました。

 

捏ね上げ温度が1℃高くなるだけで、ベーグルの発酵スピードは全然違います。
私たちもうまくいかずに捏ね上げ温度が高くなる時も。
そういう時には、生地の塊を極力小さく、平たくして、ドウコンという温度管理付きの発酵機にすぐに入れます。
生地の温度を少しでも早く低くするためです。
逆に低い温度で上がってきたときは、塊のまま温かい場所に移動して生地温度を早く上げるようにしています。

 

 

プロのベーグル作りと家庭で作るベーグル作りとは、何が一番違うかというと。。。

 

「どんな環境でもある程度の枠に収まる品質を維持すること。」

 

これに尽きると思います。

 

 

いつ行っても、どのスタッフが作っていても、もちもちしていること。
厳密にいえば、同じベーグルなんて1個もありませんが、許せる範囲の枠に収まるもちもちさであること。

 

捏ね上げ温度は何度が良いのかは、お店の作り方、スタッフ数などの環境、季節によって決めればよいと思っています。
うちの捏ね上げ温度も、寒くなってきたのでそろそろ少し高くしようかと思っています。

 

大切なのは、基本を押さえたうえで、経験を積むことです。

 

 

毎日、毎日ベーグルを大切に作っていると、まだまだではありますがベーグルの声が聞こえてきます。
どうして欲しいか。
待って欲しいのか。
あったかくして欲しいのか。
もっと水を入れて欲しいのか。

 

私たちも正解はもっていません。
今日がこうだったから、明日はこうしようと毎日繰り返しているだけ。

でもその愚直な積み重ねが大切だと信じています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

重要なのは、パンを膨らませる役割を持つイーストが関係しているから。
イーストが活動しやすい温度は28~35℃。45℃前後から活動が鈍くなり、60℃以上になると死滅してしまうといわれています。

こね上げ温度が低すぎるとイーストの活動が鈍るため、レシピ通りの時間では発酵が進みません。逆に高すぎると、過発酵になることも。
こね上げ温度を意識することで、発酵や生地の状態を安定させることができるんですね。

パン屋さんでは材料の計量と同様に、材料の温度を測り、こね上げ温度を調整します。
それほど作業時間と仕上がりに影響するのが、こね上げ温度なのです。