万福寺人参キャロットケーキ、誕生までのおはなし

万福寺人参そのものの甘さを生かしたキャロットケーキです。

皆さま、店主の茶野です。
万福寺人参を使うキャロットケーキ、今季も終了まじかになってきました。
栽培が大変な特別な地元の伝統野菜です。
今日は、この万福寺人参を食べたもらいたいと考えたキャロットケーキのおはなし。

 

2月中旬くらいまで
いのうえのうえん万福寺人参の「キャロットケーキ」と「きんぴらサンド」

 

人参を使う焼き菓子と言えば、やっぱりキャロットケーキですよね。
思い返してみれば、私も子供の頃に作った焼き菓子はにんじんケーキとバナナケーキ。
アメリカに住んでいた頃も、学校のカフェテリアでは必ずありました。

 

今回万福寺人参のキャロットケーキを作ろうと思い、かなりいろいろな配合を考えました。
これでいこう!と頭の中で考えていたのは、人参メインで、レーズンが少し入っているもの。
そしてベーキングソーダで作る配合。

 

イギリスやアメリカではキャロットケーキにはベーキングソーダを使います。
生地が重たいので、ベーキングパウダーだけだと、どうしても重くなりがち。
個人的にはベーキングソーダで作るマフィンが好きです。
ふくれ菓子みたいな独特の香りと優しい味。
今回も試作の段階では、ベーキングソーダで作る気満々でした。

 

つくってみると、、、それはそれで美味しいのですが、ベーキングソーダが万福寺人参の甘さを邪魔している感じ。
人参そのものの甘さがもっとストレートに感じてもらえるように、変更。
ベーキングパウダーにしました。
重たい生地が重たくならないように、量を増やして。

 

そして、レーズン、くるみ、ココナッツを加えます。
万福寺人参の甘さは、他の食材が入ることにより、さらに引き立ちます。

 

そして、そして、
万福寺人参の使い方。

最初は、細長いみじん切り状態のものだけで作ろうと思っていましたが、思ったよど生地が甘くなりきらない。
摺り下ろすことで甘さを、
みじん切りにすることで食感を出しました。

 

そして最後に悩んだのが、フロステイングのこと。
見た目重視だと上に塗るのが断然かわいい。
上に塗って販売したいと常々思ってはいます、、、

 

だけれども、食べ比べると中に入れたほうが味わい的にはベターなんです。
センターに入っていることによって、生地とクリームとのバランスが良くなります。
そして焼きこむことによるクリームの味が変わるんです。
これがまた生とは違うおいしさ。

 

そういう積み重ねで出来上がったのが、今回の万福寺人参のキャロットケーキです。
一旦完成すると、試作で苦しかったことをすっかり忘れてしまうけれど、試作中は悶々として開けても暮れてもキャロットケーキのことばかり考えてました。
だからこそ、皆さまが美味しいって笑顔になってもらえると最高に報われます。

 

終わってしまう前に、ぜひ食べてくださいね。
いのうえのうえんの万福寺人参キャロットケーキ。