もちもちベーグル作りのための成形

ベーグルをもちもちさせるために、成形は力を抜いて皮一枚だけ張らせます。

皆さま、店主の茶野です。
ベーグル作りをプロの視点からお伝えしています。

 

今回は成形のおはなし。

 

ベーグルを成形する時に、気をつけていること。
それは、生地が常にリラックスしている状態を保つこと。

 

伸ばすときは、巻き込んでくるときに、力をかけすぎるないこと。
生地の加減を手で感じながら成形しています。

 

力をかけすぎるとグルテンが絡まり、生地が縮もう縮もうとします。
その状態で成形すると、よく見ると表面が引きつったような表情になります。
縮もうとしている生地を成形すると、硬くなっている状態のままで形ができあがってしまいます。

 

一晩発酵させて比べてみるとすぐにわかります。
生地がゆるんだ状態で成形したものは、適度にふわっと発酵しています。
生地が縮んだ状態で成形したものは、一回り小さくゆがんだ見た目になって、ケトリングでもうまくゆるむことがないまま焼かれてしまいます。

 

私が成形時にイメージしているのは、

生地の中央には力が伝達されていなく、表面の皮一枚だけを軽く引っ張ってくる感じ。
発酵で作られた気泡を潰すことなく、さらに発酵が優しく自然に進むように皮一枚風船が膨らむ感じで張らせてあげる。

 

そしてこの成形をする時に必要なことは、スピード。
ゆるませながら成形するのですが、スピードが伴わないと単にゆるみっぱなしのダレたベーグルになってしまいます。

 

ちょっと難しいのですが、
ベーグルたちにとっては、何が起こったのかわからないくらいのスピードで成形をしてあげることです。
例えが適切かわかりませんが、人間が手術を受けるときに、痛みを感じる前に手術がすぱっと終わっている感じです。
そして、普段から思うのは、パン生地は人がむやみに触らないほうが美味しくなります。

 

このイメージが成形時に持てると、ベーグルはふわっともちもちに作れます。

 

とはいえ、うちのスタッフもこういう領域に達するまでは数年の年月がかかっています。
開店当初からだんだん手数を減らして言った感じです。

 

大切なのは、日々作ること。
日々生地に触っていると、少しづつ、本当に少しづつですが、生地の声が聞こえてきます。

 

ベーグル作りが好きな方も、初めて作る初心者の方にも、ぜひ参考になれば嬉しいです。
もっともっとベーグル作りで皆様に笑顔になってもらえますように。