川崎の伝統野菜「万福寺人参」の美味しさを届けます!

地産地消!長くて、甘くて、味が濃い万福寺人参を今年も使い、次の世代にも引き継ぎます。

皆さま、店主の茶野です。
今週から、地産地消の取り組み!

 

1/24(火)~
川崎の伝統野菜「万福寺人参」を使うキャロットケーキとサンドを作ります。
麻生区古沢の鈴木さんの万福寺人参です。

 

 

【万福寺人参の特徴】

万福寺人参は正式名称を「万福寺鮮紅(せんこう)大長(おおなが)人参」と言います。
スゴイ長い名前ですよね。

 

大長人参という名前の通り、長さ60~80センチくらい。
大地の栄養をしっかり吸収して、甘みと香りが強い点が特徴です。
普通の人参と比べると味わいの豊かさが全然違います。

 

しかしその特徴でもある長さゆえ、消滅の危機にさらされます。
栽培前に畑の土を深さ1メートルほど掘り起こす重労働が必要だからです。
ごぼう栽培も同様ですが、種まきの前に専用の器具で土を掘って耕します。

 

この土づくりが大変な苦労。
一メートル位掘り起こしての「天地かえし」や、深掘りをするために土を柔らかくするなど手がかかります。

 

【万福寺人参の歴史】

万福寺人参は昭和20年代後半から30年代にかけて麻生区の万福寺、高石、百合丘(現)などで盛んに作られました。
全国農林産物品評会で1954年から1958年にかけ5年連続で農林大臣賞(1位)を受賞。
全国からも注目されます。
しかし、百合丘団地造成が始まった1960年代から作付け面積が減少。
栽培地周辺に開発の波が押し寄せて、次第に姿を消していきました。

 

 

【万福寺人参友の会】

万福寺人参は、万福寺(麻生区)とその周辺の特産人参でしたが、労力と手間がかかることで減産の一途をたどりました。
姿を消して30年。

32年前「万福寺人参友の会」が発足。
麻生区の地名の付いた人参を復活させ、普及しようと市民団体の万福寺人参友の会が立ち上がったのは2000年のこと。
万福寺土地区画整理事業が進む中、地形が変わり、歴史的な伝統野菜の危機を感じた有志が立ち上がりました。

昨年度まで万福寺人参でお世話になっていた「いのうえのうえん」さんや、今年お世話になる鈴木さんもメンバーです。

今年、万福寺人参をお願いする鈴木さん。
鈴木さんの畑といのうえのうえんの畑は、ほぼ同じロケーションです。

 

昨年度まで掘ってもらっていた井上さん。

 

【万福寺人参の味わい】

香りがとっても豊かで、甘みとコクがしっかりとあります。
キャロットラペのように、生で食べても味わいが濃いし、炒め物や煮物で加熱してもとっても甘い。
他の人参と食べ比べると、その違いは歴然。
人参特有の苦みやえぐみがほとんどありません。

 

 

【万福寺人参のおすすめの食べ方】

こんなに美味しい人参なので、キャロットラペやニンジンスティックなど生に違い状態で食べて欲しいです。
実家の金柑と合わせて、人参と金柑のマリネでクミンシード味にしてみました。
おいしー。
万福寺人参の甘みが、クミンシードと相性良いです。

 

オリーブオイル煮で、塩味だけのものも美味しいです。

 

シンプルな味付けの方が、甘さとコクをさらに楽しんでもらえるはず。

 

地元なのに知らない方の方がまだまだ多い万福寺人参。
こんなに美味しい人参が私たちが生きる川崎にあるんだということを知ってもらい、この味が絶えずに次の世代にもつながるように。
旬の万福寺人参を使う商品を作り、食べてもらい、伝えることで、ベーグルカンパニーが少しでもそのお役に立てますように。
その思いで今年も万福寺人参を受け取りに行き、キャロットケーキとサンドを作ります。