麻生区の味が濃くて甘い人参「万福寺人参」とは

かつて5年連続日本一に輝いた美味しい人参「万福寺人参」

おはようございます。
店主の茶野です。

 

1月「西尾商店削り節フェア」
職人がつきっきりで焙乾する製法の手火山式花かつおを使うサンドやベーグル。
「万福寺人参と花かつおサンド」も今しか出会えない味。

 

ベーグルカンパニー歴が長いお客様ならば知っていると思う「万福寺人参」のことについてのお話です。

 

万福寺人参は、麻生区の伝統野菜です。
今ではなかなか出会えない野菜になってしまいました。
商標登録されている名称は「万福寺鮮紅大長(せんこうおおなが)人参」ですが、一般的呼称としては「万福寺人参」と呼ばれています。

 

戦後から昭和30年代に栽培が盛んになり、
全国農林産物品評会に出品され、昭和29年より5年連続して1位となる農林大臣賞を受賞するほど美味しい人参です。

 

正式名称の万福寺鮮紅大長人参というとおり、身が鮮やかな赤色。
長さは1メートル前後あり太い箇所では直径四~五センチメートルにもなります。

 

長さがあるために栽培が大変でやめる農家さんが多くなりました。
まずは土作りが大変です。
岩盤の少ない深堀の可能な土地を深くまで柔らかく耕さないとうまく育ちません。

 

また、収穫時もニンジン抜きという取っ手のついた鉄棒で、抜きやすくしなければならないという手間暇がかかります。

 

人参を傷つけないように場所を確認。

 

ニンジン抜きを深く差し込み、その反対側の方も人参を傷つけないように鉄棒で突いて土をゆるめます。

 

周囲の土を抜き易くしてから手を入れて引き抜く。

 

二股になりやすかったり、短かったりで、商品として販売するのには簡単ではないようです。

 

一時全国的に有名になり注文もたくさん入りましたが、
昭和30年代には、宅地造成や宅地開発という都市化に伴い、
さらには栽培しやすい短い人参が消費の中心となり、いったんは栽培が途絶えて幻の人参となりました。

 

地域の有志が2000年に友の会をつくり栽培が復活しました。
しかしながら上記のように手間暇がかかるので、今は農家としては2軒ほどしか栽培していません。

 

ベーグルカンパニーはどうしてもこの万福寺人参を使いたくて、いのうえのうえんさんに数年前から栽培をお願いしています。

 

いのうえのうえんあっての万福寺人参サンドや万福寺人参のキャロットケーキ。
本当にありがたいです。

 

いのうえのうえんのインスタはこちら。

https://www.instagram.com/inoue_nouen/