プロが教える「お子さまも大好きなもちもち食感の作り方」!

もちもち食感のベーグルは、日々の微調整で作られています!
おうちで作れそうで作れないプロの味とは!

皆さま、店主の茶野です。
うちのベーグルは、お子さまにも好評なんです。

そのわけは、

 

もちもち!

 

 

だから。

 

 

食感がハードすぎなく、もちもちするような作り方をしています。
水分もべーグルなので少なくしますが、少なくしすぎないように。

以前は、けっこう硬めの食感のベーグルを作っていた時期もありました。
でも、当日食べると最高に美味しいのですが、夕方や翌日になるとかちこちになってしまうんです。
お土産で買われる方も多いので、これではダメだなと。

 

 

色々試行錯誤した上で、今の作り方に落ち着きました。

水分はある程度しっかり入れる。

捏ね上げ温度は、通常では考えられないくらい高い36℃くらい。
36℃にしようとすると、冬場ではけっこうあちちのお湯で仕込みます。
ある意味、湯種みたいになるんですが、これがもちもち感にも一役買っています。

 

高めの温度で発酵を促進すると、成形するべきピークが一気にやってきます。
そこを外さずに成形して一気に低温のドウコンに入れるといい感じのもちもち食感になるんです。
これって成形する人のスピードが速くないと、生地が逆にダレてしまい今度はダメな生地になります。
なので、基本的にはベーグルの発酵スピードの一瞬をとらえられるように、スタッフにももっと早く成形できるように日々伝えています。

 

この高い捏ねあげ温度は、夏場でも同様です。
昔、夏だから発酵が早く進むので捏ね上げ温度を低くした時期があったんですが、べーグルが美味しくない。。。
低い温度だと成形に入る時間までが長くなってしまい、そうすると逆に生地が黄色くなったり、ダレて元気がなくなったりします。

 

常温発酵は短いですが、一晩じっくり低温で発酵させることによる旨味を出しています。

 

生地の水分量や発酵の具合は、日々こんな感じねという加減を覚えるしかありません。
こんな感じの生地で、捏ねあげ温度を測り、こんな感じの発酵を取ったら、翌日こんな感じの茹で時間と焼き加減になる。
この繰り返しの中で、もう少しこうしてみよう!と日々微調整しています。

 

だからといって、皆さまがおうちで作るときはまた全然話は別だと思います。
捏ね上げの加減、成形する人の速さ、その後の発酵管理、茹でる見極めと焼成などがあってのお店のやり方を、おうちに持ち込んでもうまくいきません。
時々、ベーグル作ってみたけれどベーグルカンパニーのようにできなかったーというお声をいただき嬉しいですが。
おうちで作る親しみやすいあったかさに、作れそうで作れないのを目指しています。

 

結局、配合や作り方って同じもの見て作っても、違う物が出来上がります。
修行時代のパン屋ではオーナーが「レシピなんて写したっていい!同じパンなんて作れるはずがない!」と常に言っていました。
当時は太っ腹ーと思いましたが、今ではその気持ちがわかります。

 

実はこの文章を書きながら、なんで36℃の捏ね上げにしたんだっけ?と思い出せずにいますが、日々試行錯誤してやっている中で、この時のベーグルが美味しかったんだと思います。
それで、その後もずっと続けている感じなんでしょうね。

 

成形の方法も、中身の分量も、実はより良いと思うとすぐに変更しています。
そこが小さな店ならではのフットワークの軽さでしょうか。

 

13年目になりますが、一個たりとも同じベーグルはありません。
ないと思っています。
同じ味に仕上げるのがお店なので大切ではありますが、いつも同じものが寸分たがわず出来上がるのなら工場のようです。
発酵という生きているものを手作りしているので、美味しいね&可愛いねというある一程度の枠の中では形も見た目も少しは違ってよし。

 

あくまで「もちもちで美味しいね、可愛いね、ベーグルカンパニーらしいね」という枠に入ることが大前提ですが。
全てのベーグルがみな、違うのが個性です。

 

 

成形の見た目もスタツフにより違います。
同じ成形方法ですが。
私から見ると、このベーグルが誰が作ったものねとすぐわかります。

 

これからも、皆さまにもちもちでおいしい!
食べて笑顔になる!
奪い合いになる!
そんなベーグルを作っていきますね。